連続挙績と損金売り

多くの保険営業マンの仕事のやり方は、個人保険をたくさん売る方法です。
単価が低ければ、とにかくたくさん売らなければ、一定以上の生産性や販売基準をクリアすることはできません。

保険業界には「連続挙績」と呼ばれる指標があります。毎週契約を積み重ねることこと、これは一体、誰のための指標なのでしょうか。保険営業マンの収入のためであると同時に、保険会社としての安定的な収益のためでしょう。
では「連続挙績」は顧客のためになっているのでしょうか。契約数を多く売ればよいという考え方によって、結果として顧客不満足を生んではいないでしょうか。考えてみる必要があります。
たとえば、保険を売って5年が経過したお客さま。
契約をして以降音沙汰がなければ、お客様は電話だけで温かく迎えてくれるでしょうか。「今さら何の用ですか」といった冷たい反応を示されないでしょうか。
お客さまからすると売りっ放しにされたと感じ、不満をいだくことが容易に想像できます。

「損金売り」について考えてみましょう。
節税目的で販売されていた生命保険は、企業の利益を減少させます。
企業における節税の本質は「利益を潰す行為」であり「企業価値を毀損してしまう行為」とも言い換えられます。
企業は価値を毀損することで明るい未来を描けるでしょうか。難しいと思います。

「連続挙績」も「損金売り」も顧客のためになっていないといえます。
ビジネスを継続させるためには、顧客に貢献するまともな仕事のやり方を行なっていく必要があるのではないかということです。
保険営業マンが長くビジネスを続ける方法について考え抜いた結果たどり着いたのが、「継続貢献営業」です。
「継続貢献営業」とは、「つきあうべき経営者に長きにわたって貢献していくなかで、すべてを任せてもらえる営業」のことです。
保険営業マンのなかには、新しい顧客から新契約をいただくことが仕事であると、勘違いをしている人が多くいます。そうではありません。同じ顧客からでも追加で新契約をいただくことで保険営業マンとしての高値安定経営を実現していく。こちらのほうが、何倍も重要な考え方ではないかと思っています。