保険営業マンが貢献できる事業承継対策

ヒアリングを丁寧に行えば、事業承継ですべきことは自ずと見えてきます。それでは、会社が事業承継をするときに私たちがお手伝いできることは何でしょうか。

これは当然、生命保険を使った対策ということになります。
たとえば、株価が高止まりしている場合、自社株を後継者に移す際のコストが高くなりますから、株価を下げるために利益を圧縮する必要があります。この対策に生命保険を活用するのです。
また、遺産分割をするために、生命保険のなかで資産性の生命保険を法人契約と個人契約を含めて活用することも大事になるでしょう。

会社経営に必要な財産は集中したほうが合理的ですから、複数の人間に遺産分割する場合、会社の資産は分けないようにするのです。
遺産分割のための生命保険を法人契約で行なうことは、非常に有効な手段であるにもかかわらず、多くの人が気づいていないという状況です。
納税資金の準備においても生命保険は有効です。
保険金を活用した納税資金準備という選択肢を経営者に提示していってもらいたいと思います。

事業承継は、専門家だけしか関われるようなものではなく、私たち保険営業マンでも、十分に経営者に貢献することができるのです。専門職にしかできないことは、専門職の人に任せるしかありません。だからこそチームを組んで連携して取り組むことが重要なのです。

私たちは社長からビジョンを伺い、その実現に向けて方向性を作っていって差し上げればよいのです。
その方向性を作るための部品が、生命保険です。経営者に「事業承継のビジョンを聞かせてください」と伝える一言が、事業承継を支援するための第一歩です。

これまでおつきあいしてきた会社の保険を拝見して目についたのは、役員保険だけの契約や、長期定期保険だけの契約といった「単品で終わる保険」です。誰かが法人保険営業をして契約をもらったのでしょう。
しかし、せっかく会社から保険契約をいただいているのであれば、相続や事業承継の話も絶対に併せて行なうべきなのです。

相続や事業承継の仕事を通して信頼感を高めたら、さらに福利厚生の話をするといった具合に、継続した貢献をすることが可能です。
保険営業マンの皆さんには、継続的に保険の発注がなされるような仕組みを計画的に作っていってもらいたいと思います。「単品で終わる保険」を営業するだけでは、大きな利益になりませんし、経営者としても根本的な課題が解決されないままなのです。